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香澄と今川先生が居なくなった後、俺達は大体のモンを瓦礫の山から取り出した。
それを博士にまとめて渡す。
「うん、これだけ集まれば研究したら何かが解るだろう。じゃあ、諸橋さんを迎えに体育館に向かおう」
博士に連れられて、俺達は校舎内を出た。
と、ようやく辿り着いたのか、救急車とパトカーが停まっているのが見えた。
どうやら、病院と警察署は無事みてーだ。
だが、何か様子がおかしい。
怪我人が多い筈なのに救急隊は体育館の外で待機している。
俺達が近づいて行くと隊員の1人に止められた。
「今、体育館に入らない方が良いです」
「何かあったんですか?」
確か中には香澄も居る。
博士が救急隊に訊いた次の瞬間!
バキューンッ!!
体育館の中から銃声が鳴り響いた。
「香澄っ!?」
「千夜くん!!」「保ー!危ないよう!!」
鈴木と山村の声は聞こえたが、香澄が危険な目に遭っているかもしれねーのに、悠長に待ってられっか!
「待て、千夜くん!」
「あ、ちょっと…!」
隊員が止めようとするのを振り切って、足を引きずりながら俺は無理矢理、中に入った。
博士も後から着いてくる。
と、警察官が威嚇射撃をしたのがわかった。
その先の舞台にいたのは…。
「拳銃を捨てろ!この娘の命が惜しくないのか?!」
さっきまでとは別人のような今川と人質に取られた香澄だった。
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