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山村はそう言うと、まだ横になっている俺の身体を揺さぶった。
「やなこった。文化祭巡りするなら、あんた等3人で巡れよ」
俺は自分では自覚していなかった。
友情…ダチを誰よりも大切に思っている事を。
鈴木や山村は、俺には無くてはならねー存在だ。
そして、愛しい香澄も。
だが、3人が近くにいる事が当たり前の日常になり過ぎていた。
そんな3人に今更、素直に「あんた達が大切だ」と表現することは小っ恥ずかしくて苦手だった。
鈴木と香澄も山村と同じことを思ったのか、2人は顔を見合わせて苦笑した。
「千夜くん。私も千夜くんと少しでも一緒に居たいわ」
「僕もですよ」
「ほらあー!鈴木くんと香澄ちゃんも、こう言っているじゃん!保ー、一緒に行こうよう!」
3人が俺と4人で文化祭巡りをしてーと思っている。
その事は俺の心に少なからず変化をもたらせた。
自分でも気付いてねー変化。
この3人なら…この3人と同じ時間を共有出来たら楽しいだろうなと思えるようになった変化。
そんな気持ちが芽生え始めている。
俺は上体を起こすと1番近くにいる山村の頭をくしゃくしゃに撫でてやった。
「…わーったよ。一緒に行ってやるから静かにしろって」
香澄と鈴木「「千夜くん…!」」
「やったあー!保達と文化祭巡りだあー!」
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