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山村はそう叫ぶと俺に抱きついてきた。
確かに4人で周るとは言ったが、なんで山村に抱きつかれなきゃならねーんだ。
どうせ抱きつかれるなら、香澄の方が良い。
香澄の身体は、山村より柔らかくて、胸は細い身体と裏腹に意外とデカく、抱きしめると適度な弾力と張りがあった。
まあ、香澄とチョメチョメするのは2人きりの時が良いな。
「山村、いつまで抱きついてんだ。立ち上がれねえだろうが」
「うーん!一生!」
「そしたら文化祭、終わっちまうぞ。良いのか?」
それ以前に俺達の高校生活も終わるな。
「山村先輩。機会は又、有りますからね?」
鈴木が優しくそう言うが機会っていつだ?
そんな機会あって堪るか。
「はあーい!」
だが、山村は鈴木の言葉を鵜呑みにしたのか、あっさりと俺から退いた。
これ幸いと俺は制服についたホコリを払いながら立ち上がった。
「…で、どこから周る?」
「それなんだけど私、お腹空いてきちゃった」
そういや、そろそろ昼飯時だ。
「僕も空腹感が有ります」
「僕もー!じゃあ、家庭科室に先ずは行こうよう!料理部が出し物でお昼ごはんを食べさせてくれるってパンフレットに書いてあったー」
俺も山村も以前は料理部に入っていた。
文化祭の頃は俺はもう退部していたが、山村は在籍中、引退するまで入部していたから、馴染みが深いんだろう。
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