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『豚肉と大根のバター醤油風味
青菜とかまぼこの和え物
鮭じゃが』
「美味しそう!」
「実際、美味しいと思うよう!僕や保が居た頃は皆、楽しそうに料理していたし!」
メニューを見て歓喜の声を上げる香澄に、山村が笑顔で応える。
「千夜くん、大丈夫ですか?」
俺の退部の理由を察している鈴木が小声で耳打ちする。
俺は当時、料理部に在籍していた先輩(それも野郎)にレイプされて、1年の途中で自分から退部した。
その事は山村は勿論、香澄すら知らねー。
キャッ!キャッ!と、はしゃぎながら中に入って行く2人に気付かれねーように、俺は鈴木に耳打ちを返した。
「…もう終わったことだ。大丈夫だ」
まだ心配そうな鈴木を置いて、俺も中に入った。
鈴木も慌てて着いてくる。
「いらっしゃいませー!…って、あー!山村先輩お久しぶりです!」
「えっ?!山村先輩?!」
「先輩、来てくれたんですね!」
手の空いている部員と思われる生徒たちが山村のことを取り囲んだ。
山村は抜けているところも有るが、その人懐っこさに男女学年問わず、多くの連中に親しまれている。
当然、部活内でも後輩たちに慕われていたのだろう。
「皆ー!久しぶり!頑張っているー?」
「はい!山村先輩が卒業した後も皆で頑張っています!」
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