隕石の衝突

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「それでね、保ー。さっき言っていた劇の終わりについてだけどね…」 山村の拙い説明を鈴木が補足した内容は、正直、子供騙しだなと思う内容だった。 物語のクライマックスで、隕石衝突の真相が徐々に明らかになっていく。 主人公たちは、真相を知った後も冷静さを保ち、隕石衝突の被害を最小限に留めるために行動する。 個々の特性が十分に発揮され、一致団結して被災者の救助や避難を支援する。 やがて、隕石衝突の被害は収束し、シンセイタウンの生き残りが立ち直ろうとする中、主人公たちの友情や絆はさらに深まる。 彼らの助け合いや連携がシンセイタウンの未来に希望をもたらし、新たな絆を築くこととなる。 「…って劇なんだ。保も出れば良かったのにー。面白かったよう!」 「ありがとうございます、山村先輩」 「そう言ってくれると演じた甲斐があったわ」 鈴木と香澄は満足気だが、俺は如何にも架空の世界の話だなと思っていた。 「隕石が衝突したのに、人の事まで構ってられっか。パニックになるか、死ぬかのどっちかだろ」 俺は、しまったと思った。 キラキラ瞳を輝かせていた山村が泣きそうな面になったからだ。 まるで子供の夢を壊した大人になった気分だ。 「千夜くんの言う側面も確かに有りますが、楽しんで下さった人の前で言う事ではありませんね」
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