誤差の範囲と言われても 

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その日も俺はいつもの様に家を出た。 もうかったるいから学校がこっち来い的な朝でも、最笑ちゃんが待っててくれると思えばもう俺のハートは翼を与えられた赤い牛みたいなもの。悩みのヤミなど消えて行く。 ところが。 「おはよう最笑ちゃん!」 「……ああん!? うっせえうぜえ埋まってろっ」 お、おおう??ヘビーローテンション? 「シメて埋めるぞツメて捨てるぞっ! 黙っとれ下がっとれっ」 地の底から響く様なデスボイスで凄いっす。 悪魔のシンセサイザー悪夢の新世界だあ! 「さ、最笑ちゃん背中にスーパーの値札が」 そそっかしいなあと手を伸ばすと。 「ああっ今背伸びしたよね?ひっどーい!」 いや、してないぞ。 「値札?誰が夕方5時から半額だって!? 170センチ以上はグラムいくらだってえ!?」 誰もそんな事言ってないってば! 人がせっかく明るい良い子だよと紹介してるのに好感度全否定かよ? 「浜谷くん、今年も彼女ご機嫌悪くて大変ねー」 クラスメイトの早瀬さんが楽しそうに寄って来る。 「いや、彼女じゃないってば」 「まーたそんな事言ってる。今日、最笑を慰めてあげられるのは浜谷くんだけだよ。頼んだからね」 今日…… そうか、今日は年に一度のあの日か!
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