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「背が伸びたら」
あんなのは、面倒な子どもをあしらうための方便でしかなかった。
私の背が伸びるまで、答えを出す期限も延びるから。
その間に中身も大人になって、忘れるだろうって考えてたのよね。
延びた、──無理矢理に「延ばした」と思い込んでただけの時間。
背が伸びる間に、もっと考えることあったはずなのに。
考えても無駄だけど、……無駄だってことに気付かないといけなかったのよ。
今になってようやくそんなことを思ってるの。遅いよね。
私いったい何やってたんだろう。これからどうすればいいの?
──それは自分で決めること、なんだ。
これまでの私には、「自分の考え」なんてなかったのかもしれない。
きっと今夜は泣いてしまう。
だけど、寝て起きたら今度は私自身の生き方を考えないといけないんだ。
誰も責任取ってくれない。私の人生。
──もう十七歳なんだから。
~END~
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