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朝起きると、わたしは灯になっていた。
双子の兄、アカシ。彼はわたしと違って文武両道・眉目清秀であり、わたしはそんな兄が大嫌いだ。
目覚めると何故かアカシの部屋にいて、体に違和感を覚えた。
とりあえず自分の部屋へと戻ろうとベッドから降り、扉近くの姿見に目をやって驚愕する。
鏡に映っていたのが、わたしこと山口 葵ではなく山口 灯だったからだ。
「なにこれ? 夢??」
混乱しながらもアカシの無駄に整っている顔をつねってみる。そうしたら痛かったのでこれは夢ではないのだろう。
「わたし……アカシになってるの??」
大嫌いな兄になっている、その事実にぞっとする。
どうしてこんなことに? なんでこんな目にあわないとならないの? 山口 葵は今どうなってるの?
様々な疑問が浮かんできてパニクっていると、扉が開いて来訪者がやってくる……それは、"わたし"であった。
次々と起こる異常な出来事にわたしはポカンと口を開けて固まるしかなかった。
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