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その後、平原に巨大なドラゴンと魔物の屍の山が築かれた。
街に戻ると、人々から歓声が上がる。レンガ作りの家だから火事にならずにすんだようだ。ニャポネの手を取って感謝したり、袋に入った報酬を渡したりしている。どうやら魔物から人や街を護るのがニャポネの仕事のようだ。
一人でみんなの命を背負っているのか。大変だな。ってか、えらいな。
「ミツグ、コッチ二オコシヤス」
ニャポネに手招きされ、僕は車を降りた。
「コレ、ガマノアブラ。キズニキキヤス」
そう言ってガラスで切った僕の顔に日本で有名な薬を塗った。
「ミツグノオカゲデミンナタスカリヤシタ。オーキニ」
「いやいやそんなははは」
こんな僕でも彼女の力になれるなら、この世界に移住するのも悪くないかな。
「コレ、サシアゲヤス」
今度は白くて丸いものを袋から取り出すと、それを僕にくれた。
初めてのニャポネからのプレゼント。うん。嫌な予感しかしない。
「これは?」
「オタベヤス」
恐る恐る口にしてみる。甘くてもちもちした食感が口いっぱいに広がる。これってもしや……。
岡山銘菓、きびだんご!
「キビダンゴアタエル。シュジンナレル。コレ、ニホンノフウシュウ。コレデミツグ、ワチキノイヌ」
もうこれ以上、鬼退治はしませんからね……。
御仕舞
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