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 槍先に加わった師範代の重みで、弟子たち全員が引きずられて前のめりに崩れていった。  終わってみれば、マヒワだけが立っていた。 「ごめんなさい。みなさん、お怪我はありませんか?」  と気遣うような言葉をかけているが、「これで文句ある?」の裏返しである。 「いやぁ、お見事! 感服いたしました!」  と、ガラムも拍手で、マヒワの技を絶賛した。  マヒワは弟子たちに一礼して、ガラムの横に並んだ。 「ガラム師範。どうして、皆さん一斉に同じ動きができるんですか? 突きになるか、振り降ろしになるか、わからないでしょう?」  マヒワはあえてどちらかに決めず、ただ動作の起こりをとらえることに集中して対処することにしたが、実戦ではどのように判断しているのか不思議に思った。 「ああ、それはね。そのときの状況によって早いほうを使いますな。鍛錬を重ねると、合図がなくとも、みんな同じ動作をするようになる」 「そうでしょうけれど、さっきみたいに、あたしひとりでしたら、どちらでもいいじゃないですか。そのときでも同じ攻撃が出ますよね」 「あれ? 気づいてませんでしたか?」  驚くガラムをみて、マヒワも驚いた。 「え、ええっ! 何かありました?」 「ほんとに不思議な方ですなぁ。本当に気づいていらっしゃらないようなので教えますけれど、ほんとうに変わった剣聖さまですな」 「いや、剣聖って、ひとが言ってるだけですし」 「声を掛けているんですよ」 「――こえ?」 「先導する者が、声を出すのですよ」 「気合いですか?」
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