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 思い返せば、今回の廻国修行で、マヒワひとりで食事をしたのは、今日がはじめてかもしれない。  それで、先ほどの料理屋の出来事があったとしたなら、そうにちがいない。  たぶん食事時だけではなくて、稽古のとき以外は、バンがすべての危険を回避してくれていたのだろう。  マヒワは全然ひとりだちできていない自分に愕然とした。  ――あー、へこむ-。  そのあとも寝返りをうったりして、あれやこれやと考え事をしていたが、ふと、マヒワの耳が規則正しい音を捉えた。
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