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エピローグ
久しぶりに女子高時代の
友人が集うモダンマダムの会
還暦を迎える仲間たちと
ちょっと奮発して横浜にある高級料亭
みせびらかすつもりはなかったけれど
煌さんに
「せっかくだし、つけて行きなよ」
と言われ、例のルビーの指輪をはめてきた
…そう言えば私たちが高校生の頃、
そんなタイトルの流行歌があったわね
「わぁ〜、麗子の、それちょっと素敵じゃな〜い!」
「ほんと!
えっ、ご主人が?羨ましいわ〜
うちのボンクラなんて、そんな気の利いたこと
1度だってしてくれたことないわ」
「それはさ、あなたがご主人に何もしてあげない
からよ〜こっちが気の利いた事してあげれば、
何か返してくれるわよ
たぶん、だけど」
「そうは言うけどさぁ、現役引退して、毎日家にいられるの、ほんと鬱陶しい」
「その気持ちは、わかんなくもない」
「男の人はね〜仕事を取っちゃうと
何も残らないのよね」
それを聞いて、麗子はふと
「そういえば、私、煌さんの会社に行ったこと
ないわ」
「あら、私だってそうよ、判を押したように、毎朝同じ時間に出て行くけれど、本当に会社に行ってるかどうかなんてわかったもんじゃないわよ」
「かと言って愛人を囲えるような甲斐性があるわけじゃなし」
「あら〜、わからないわよ、女は歳くえば
単なるババアだけど、男はロマンスグレー?
経済力があると勘違いして、寄ってくる若い女がいるかもよ」
「麗子んとこは、愛妻家っぽいもんね
そんな心配したことないでしょうけど」
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