エピソード1:いわゆる悪夢の再来ってやつ

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エピソード1:いわゆる悪夢の再来ってやつ

「宿題を忘れた者!立ちなさい!」 ここは星降学園高等学校の教室・・・ そして私は椅子から立ち上がっている・・・ 「忘れたらどうなるか見ておきなさい!」 隣の席の涼介もどうやら宿題を忘れたようだ。 パーン 教室に乾いた音が響き渡る・・・ えっ?ビンタ?? 今私はあってはいけない光景を目にしていた。 なんと、眼鏡をかけたオールバックの初老の教師が生徒を平手打ちしたのである。 しかもその勢いはすさまじく、涼介はそのまま吹っ飛ばされた。 「学問とこの教師、井桁友弘をなめた罰です!反省しなさい!」 すると・・・ 「おい!先生!いくら何でも殴るのはひどすぎじゃないか!」 抗議の声を上げたのは涼介の親友の雄太 友達への理不尽な体罰に思わず声を上げたのだろう。えらい! しかし・・・ 「口答えは!許し・ま・せん!」 パーン 瞬間移動したかのように雄太の前に現れ、彼も平手打ちする。 「連帯責任です!いいですね!」 同じように吹き飛ばされる雄太・・・ その衝撃で眼鏡はあさっての方向へ飛んで行った・・・ ビンタとはいえ凄い衝撃なので、二人とも大丈夫だったのだろうか・・・ 「さあ、伊藤さん!あなたも罰を受けるのです!先生は男女平等を徹底します!」 初老の教師はずんずん私に向かって歩いてくる。 それにしてもすざまじい圧だ・・・ 「いやいや、その平等間違ってるって・・・」 「下手によけると逆に痛いですよ~」 そういって右手を振り上げる先生 「ま、まって・・・」 「いきますよ!」 「ぎゃー!」 ガバッ! 「なんだ・・・夢か・・・」 思わずかけ布団をはねのけ起き上がると 薄暗かったが、私の見慣れた部屋が広がっていた・・・ 時間は午前7時・・・ もう少し寝ていられるが、二度寝する気にもならなかったため、準備して学校に行くことにした・・・ 「あれ?魔鈴、今日はちゃんと起きてる・・・」 「おはよう、チャンチー」 あだ名チャンチーこと私の親友の地井千晶がまさに我が家に迎えに行こうとしていたところに遭遇した。 「そういえば魔鈴・・・あなたが宿題忘れて面識のない先生にビンタされそうになる夢見たわよ。」 「!!ひょっとしてその先生、眼鏡でオールバックだったりした?」 「そうそう!でもなんで知ってるの?」 私は驚いた。私が見た夢の内容と全く同じだからである。 「全く同じ夢を見たわ・・・」 「え!!まさか、また夢想界(シャングリ=ラ)関連の事件??」 「今のところまだわからないわね・・・とにかく学校に行ってみましょ・・・」 私達は足早に学校へ向かって行くのであった。
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