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エピソード2:いわゆる実害ってやつ
「お、魔鈴ちゃん今日ははやいじゃん!」
話かけてきたのは、隣の席の涼介・・・
よく見ると首に湿布を貼っている・・・
「どしたのそれ・・・」
「それがさー、見たことない暴力教師にビンタされて、目が覚めたら寝違えてた・・・首筋いてえ~」
首を押さえておどける涼介
「ハハハ、馬鹿だね~」
そう言って笑いだしたのは、彼の親友の雄太
「お前こそどうしたんだよ。鼻にティッシュなんか詰めて・・・」
「似たようなもんだよ。やばい教師にビンタされた夢見て、起きたら鼻血が出てた・・・」
「いや、ちがうな・・・お前の事だから絶対スケベな夢見ただろう!」
「それはお前の方だろ!この前もイラ・・・」
「わ~!ここは学校だぞ!それ以上は言うな!」
あわてて雄太の口をおさえ始める涼介・・・
「はいはい。仲がよろしいようで・・・一応私もいるので、下ネタは別のとこでどうぞ・・・」
「は・・・はいい・・・」
急に委縮する二人・・・
するとさっきまで黙って隣にいたチャンチーが急に話しかける。
「魔鈴・・・今の話・・・」
「そう、断片的だけど、私達と同じ夢を見てるみたい・・・」
キーンコーンカーンコーン・・・
と話し込む間もなく予鈴がなった。
そして、教室に入ってきたのは・・・
眼鏡をかけた・・・恰幅のいい教師・・・ぐんPこと郡司先生だった・・・
「ほっ!」
「伊藤さん、私を見るなり何を安堵しているんですか~ちょっと心外ですね~後で生徒指導室に来てください~あ、地井君もです!」
「はい、すみません。」
別にぐんPが厳しいわけではない・・・
彼もまた『何か』を察知したのである。
放課後、チャンチーを連れて生徒指導室に入ると・・・
「はろぉ~」
ガクッ
ちょっと派手目の先輩、本間海菜さんが椅子に座っていた。
「先輩相変わらずっすね・・・」
久々に招集がかかったというのに緊張感の欠片もない・・・
そして、奥にはぐんPが・・・
「あ、来ましたか・・・」
部屋には、私、チャンチー、本間先輩、ぐんP・・・
この組み合わせは夢想界・・・別世界の住人とその力を得た者たちである。
つまり・・・
夢想界が何かしら関与してると容易に想像がつく・・・
「おそらく、昨日の"夢"の件で集合したってところ?」
「まあ、そうだな・・・私のクラスでも見たことない教師にビンタされる夢を見た者が何人もいる。しかもそろってどこかしら負傷している。」
「これは由々しき事態ですな・・・」
しかめっ面をするぐんP・・・
「ちなみに夢想界の方は異変はないの?」
「ない・・・ないのが逆に気持ち悪い。ここまでの事があれば何等かの兆候がつかめるはずなのだが・・・今回はさっぱりだ。」
珍しく困った顔をする本間先輩。
ちなみに本間先輩は学生は仮の姿で、別世界夢想界を統治する一人だったりする。
「今の夢想界は・・・復興が順調に進み、私達の居城ブルーパレス以外は現実世界に似たような景色が広がっている。ゆえに我々からその教師を探し出すのは難しい・・・」
「じゃあ、対策は・・・」
「それが・・・あるんですね~」
そういってぐんPは大きな水晶を取り出した。
そう、実は彼も同じく夢想界の人物でカイナ姫配下の神官だったりする。
「え?ブルーパレスに安置されてるはずのブルースター??」
「ええ、ただしこれはブルーパレスに安置されているモノではなく、万が一の時に備えて新たに作り出したものですがね・・・」
え?これを見せたということは・・・
「ま・・・そういうことだ。夢の中で教師と遭遇している伊藤・・・お前がダイナマイト♡マリンになって戦えって事だ!頼んだぞ!」
「やっぱり!なんてことだ!」
二人の無茶ぶりに、私はその場にガックリと膝をつくのであった。
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