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大学卒業後
佐藤咲が大学を卒業して初めに入った会社は
寮がついている会社だった。
会社の寮なら美奈が追いかけて来ないと思っていたのだ。寮生活なんてお金持ちのお嬢様にできるとは思えない。
そう思ってた咲だったが、加藤美奈は咲の後に入社して来た。
佐藤咲は美奈が恐ろしかった。美奈はいつも一方的に喋る。自分の事しか考えない。逃げる為に咲は夜逃げ屋に依頼をした。
咲は、両親にも親しい人にも何も言わずに引っ越した。
アパートで初めての一人暮らし、これでやっと美奈と離れられる。これでやっと……美奈から自由になれる。誰も不幸にならずに済む。
咲は新しい職場も決めた。
ここまで来れば流石に追いかけて来ないと咲は思っていた。
それなのに、アパートの前に美奈はいた。
「美奈こんなところまで私を探しに来たの?誰にも引っ越しの事は言わなかった筈、携帯電話も解約した……それなのにこんなところまで調べて探しに来たの?」
咲の言葉は美奈には届かなかった。
美奈は相変わらず自分の事しか考えていない。
美奈は咲と一緒に住むつもりでここに来たらしい。
美奈は言った「私を蔑ろにしない方がいいわよ。大切な人を守りたければ」
私は美奈に支配される。
また新しい場所に引っ越さないと……
咲は決心した両親の事を守ってもらうには警察に行くしかない。咲は言った。
「わかった。一緒に住みましょう。家に入って
家具とか二人で住もうと思って揃えたの。二人で住むには充分広い部屋でしょう」
美奈は言った「嬉しい。友達だもんね」
美奈を家に先に入れると咲は玄関の鍵を閉めた。
咲の家のドアは咲と大家さんしか開ける事ができない。
そして咲は、家にいきなり入って来た女性がいる。家に閉じ込めて逃げて来たと近くの交番に駆け込んだ。
美奈は駆けつけた警察官に逮捕された。
逮捕された美奈は咲に言った「こんな事してもまた咲ちゃんを探すから」
咲は「もう私に近づいて来ないで」そう言った。
その後、美奈は刑務所で自殺をしたと警察から聞かされた。
今、咲は死んだ筈の美奈の幽霊に悩まされている
「私達、友達だよね?」今夜も美奈の声が咲の側で聞こえた。
完結
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