誕生会

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誕生会

佐藤咲は友人の伊藤純子と五十嵐由美 前田里と 今宮幸子と加藤美奈に話しかけた。  「おはよう。今度の日曜日私の誕生日なんだけど〜家で誕生会やろうと思ってるんだ〜親がさ〜 誕生会開催するから友達呼んで来なさいって言 うんだけど〜来られる?小6だから親が開催するのは最後になるからって中学になったら友達だけでパーティやるようになるだろうって〜日曜日だから予定あるだろうけど〜皆んな大丈夫?」  5人は咲に言った。「行く行く〜誕生日もうプレゼント買ってあるんだよ」と嬉しそうな顔をしていた。  その時、加藤美奈だけが不思議な事を呟いた「ねえ、咲ちゃん〜咲ちゃんが今1番欲しいものを買っていくね」 純子も由美も里も幸子4人は「咲が1番欲しいものって?」と美奈に聞いた。  美奈は「それは秘密」そう言ったので「もう、変なこと言わないで」咲はそう言って笑った。  ところがこの誕生日会から徐々に美奈の異常性に4人は気づいていく事になってしまったのだ。  その日はいつものように普通の好きなアイドルや昨日見たドラマの話しや抜き打ちテストの話をして楽しく過ごしていた。  そう、誕生日の時まで5人は全く気がつかなかった。  一週間が経って日曜日の正午四人は佐藤咲の家に集まった。  「いらっしゃい。咲と仲良くしてくれてありがとうね。あら〜こちらが咲が言ってた転校生の子かしら?」咲の母親の佐藤ゆきにそう言われた加藤美奈は咲の母親のゆきに挨拶をした「はい、加藤美奈といいます。転校して来たばかりなのに咲ちゃんが仲良くしてくれて毎日学校が楽しいです。今日も誕生会に呼んでいただきとても嬉しいです」 咲の母はとても嬉しそうな顔をして「そうなの〜随分しっかりした子ね。どうぞ皆んな中へ入って。 そこへ父親の佐藤幸助が挨拶に来た。 「いらっしゃい。この子が〜転校生〜」 咲とゆきは言った「お父さんそのくだりはもう 済んでるから皆んなこちらへ」 咲と友人達はそれを見て笑っていた。  父親の幸助は「くだりって?」母親は「いいからいいからこっちに来てあなたも座りましょう。  お料理たくさん作ったのよ」5人は咲の家の広いキッチンに行った。「わあ〜凄いご馳走。それに〜飾り付けも凄い」咲は恥ずかしそうに「そ、そんな事ないよ」と顔を赤らめた。咲のお母さんが作ったケーキがテーブルに運ばれて来た。  この時、佐藤咲はケーキの蝋燭をハッピーバスデーの歌を歌い終わった後に吹き消した。  そして友人と両親が皆んな「おめでとう」そう言って咲を祝福した。   そしてゆきが言った「それじゃあ次はプレゼントかな?これはお父さんとお母さんから」 「ありがとう」咲は次から次へとプレゼントを貰った。  プレゼントを貰った咲は直ぐに「今からプレゼント開けるね。そう言って一つ一つ咲はプレゼントを開封した。  両親からは今小学生の女子の間で流行っているブランドの洋服だった。  純子からは文房具セットだった。幸子からは髪飾りだった。  由美からは咲が好きなブランドのお菓子セットだった。  里は咲が好きなキャラクターのコップだった。  咲は友人達の心のこもったプレゼントに喜びを感じていた。  咲は言った「いよいよラストのプレゼントは転校して来た美奈ちゃんのプレゼントです。じゃあ開けるね」そう言って咲は美奈のプレゼントの包みを開けた。  その中身を見た瞬間、他の友人と両親は驚いたような眼差しをプレゼントに向けていた。  咲がそのプレゼントを見た瞬間美奈に言った 言葉は「私が駿河恭平君のファンだって何で知ってるの?しかもこれってなかなか手に入らないよね?どうやって手に入れたの?それにこれが欲しいなんて誰にも言ってないのに。何で知ってるの?私言ったっけ?」   「嫌だな〜この前、駿河恭平君のファンだって言ったじゃない」  咲は言った「でも〜こんな貴重なもの受け取れないわ。なかなか手に入らないのに」 美奈は言った「家のお父さんねテレビ局で働いてるの映画も作るのよ。だからこれは父から家族分として貰ったものなの。これは私の分だから私はそこまでファンじゃないし」  咲は「そう〜じゃあ貰うね.ありがとう」 そう言って美奈からのプレゼントを受け取った。   美奈が咲にプレゼントしたものそれは大人気俳優の駿河恭平の映画の舞台挨拶の券だった。 この時、咲は本当に美奈の父親が美奈にあげたものなのだと信じていた。  たぶん他の四人の友人もそう思っている筈だと咲は思っていた。  でも一つだけ咲には気がかりな事があった。 チケットの端に付いているしみはなんなんだろうか?これ2枚ある「美奈ちゃんこれペア券だね。美奈ちゃん一緒に行こうよ。美奈ちゃんが貰っ たんだし」そう言うと「嬉しい今まで友達と映画に行った事がなくて」そう言って喜んだ。  咲も「じゃあ一緒に行こう」そう言った。佐藤咲はこの時、まだ美奈の本当の恐ろしさに気づくことすらなかった。  次の日のテレビのニュースを見るまでは〜
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