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次の日
佐藤咲は次の日の朝、家で朝食を食べながらテレビのニュースを見ていた。
「えっ?これって〜」
一緒に見ていた母親の咲も言った「咲?変な事、考えないでよね。小学生がそんな事できる訳ないんだから」
咲も「そうだよね。美奈ちゃんのお父さんがテレビ関係者だって言ってたしね。まさかね」
咲はまさかそんな筈ないと自分に言い聞かせた
そのニュースは駿河恭平の映画の舞台挨拶のプレミアムチケットの券を後ろから誰かに殴られた女性が気絶している間に盗まれるという事件だった。
咲の母は「恐ろしい時代ね〜咲も気をつけなさい」そう言った。
咲はこの時誰か知らない人の事件だと思っていた。
咲はその日学校に行った。そしていつもの仲がいい5人に「おはよう」と声を掛けた。
5人は咲の近くに来ると一枚の写真を投げつけた。それは咲とクラスの深井二郎が楽しそうに遊園地で遊んでいる姿だった。
咲は「何これ?」その写真は咲にとって身に覚えがない写真だった。明らかに合成で作ったものとしか思えなかった。深井二郎の事を幸子がずっと好きな事は仲がいい友達なら誰もが知っている事だった。だから咲は自分も二郎の事が好きだという事は言わなかった。ただ少しだけたまに二郎を見ているだけだった。
「これ合成だよ。私二郎君と遊園地なんて言ってないよ」咲は必死に5人に言った。
5人は「そうよね。よく考えると咲がそんな事する筈ないよね。友達の気持ちを知ってて二人で会うなんて」
5人が咲にそう言うと咲も誤解が取れたと安心していた。その時、深井二郎が佐藤咲を呼んだ。
「何?」そう言って深井の側に咲は行った。
「ちょっと話があるんだ」そう言われ咲は深井の後を付いて行った。
そして、二人の後を幸子も付いて行った。
二人は体育館裏の人気がないところで立ち止まった。
そして深井は咲に言った「遊園地楽しかったね。また行こうね」
咲は「何言ってるの?遊園地って?」
深井は更に続けた「嫌だな〜僕達付き合ってるじゃん中学に行っても付き合うって約束したよね?」
咲は「何言ってるの?どう言う事?」
それを聞いていた幸子は「咲!やっぱり付き合ってたのね。それなら早く言えばいいじゃん!隠して私を笑ってたのね」
咲は何度も違うと言ったが誰も信じてくれなかった。この時、友達との間に亀裂が入った瞬間だった。
咲が「早く誤解を解かないと」そう呟いていると今度は里が咲のところに走って来て言った。「咲がそんな人だとは思わなかった。私達の悪口をサイトで言いまくって何が面白いの?」
咲は何の事なのか全く知らなかった。
「サイトって?」里が咲にみせたサイトはクラスメイトの女子だけしか知らない筈のクラスメイト仲良しというサイトだった。
そのサイトを見ると咲が知らないところで誰かが咲のふりをして悪口をばら撒いている事になっていた。
「これは私じゃない」咲がいくらそう言っても誰も信じてくれる人はいなかった。咲はとうとう一人ぼっちになってしまった。
誕生日の日から咲は少しずつ孤独を感じるようになっていった。
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