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「mosh、lilyくん、移動するよ」
2人は頷いて曲を止め、lilyは隅に置いていた荷物を持って先に楽屋を出る。
moshもイヤホンを外してパソコンをシャットダウンしようとした時、一通のメールが来て、綺群に内緒で開けて見る。
すると⎯⎯。
「えっ!?」
書かれている内容に驚きを隠せなくなり、メールボックスを開くと⎯⎯同じような内容のメールに驚きを隠せない。
「mosh?
何してるの、行くよ?」
「い、今行くよ」
動揺しながらもシャットダウンして、荷物を持って、楽屋を出て行く。
……まさか⎯⎯冗談、だよな⎯⎯。
夢羽舞に……アンチメールなんて……。
moshが見たのは……夢羽舞を批難する、アンチメールだった……。
移動中の車の中で、綺群が隣に来て座るとmoshに尋ねる。
「さっき、僕のパソコンで何を見てたの?」
「えっ?Σ何って?」
綺群の問い掛けの意味を、moshは理解していたが、言う気にはなれず、動揺を隠そうと、スティック状のスナック菓子を口に咥える。
「見たんでしょ?メール」
図星を突かれて、ぽろん、とスナック菓子が落ちる。
「さ、さぁ……何の事か?」
ごまかそうと、スナック菓子を口に咥えようとするが、綺群にはお見通しで、moshに微笑み掛ける。
「あ、え~っと……」
moshは隠し事しようとする時、癖で頬を掻く。
親友でもある綺群は当然その癖を知っているので⎯⎯。
「隠さなくて良いから」
そう言うと、moshの目をじっと見詰める。
「うっ……。
あ、え~っと……実は⎯⎯」
観念したmoshは、綺群にメールの内容を話した。
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