プロローグ

8/13
前へ
/21ページ
次へ
「mosh、lilyくん、移動するよ」 2人は頷いて曲を止め、lilyは隅に置いていた荷物を持って先に楽屋を出る。 moshもイヤホンを外してパソコンをシャットダウンしようとした時、一通のメールが来て、綺群に内緒で開けて見る。 すると⎯⎯。 「えっ!?」 書かれている内容に驚きを隠せなくなり、メールボックスを開くと⎯⎯同じような内容のメールに驚きを隠せない。 「mosh? 何してるの、行くよ?」 「い、今行くよ」 動揺しながらもシャットダウンして、荷物を持って、楽屋を出て行く。 ……まさか⎯⎯冗談、だよな⎯⎯。 夢羽舞に……アンチメールなんて……。 moshが見たのは……夢羽舞を批難する、アンチメールだった……。 移動中の車の中で、綺群が隣に来て座るとmoshに尋ねる。 「さっき、僕のパソコンで何を見てたの?」 「えっ?Σ何って?」 綺群の問い掛けの意味を、moshは理解していたが、言う気にはなれず、動揺を隠そうと、スティック状のスナック菓子を口に咥える。 「見たんでしょ?メール」 図星を突かれて、ぽろん、とスナック菓子が落ちる。 「さ、さぁ……何の事か?」 ごまかそうと、スナック菓子を口に咥えようとするが、綺群にはお見通しで、moshに微笑み掛ける。 「あ、え~っと……」 moshは隠し事しようとする時、癖で頬を掻く。 親友でもある綺群は当然その癖を知っているので⎯⎯。 「隠さなくて良いから」 そう言うと、moshの目をじっと見詰める。 「うっ……。 あ、え~っと……実は⎯⎯」 観念したmoshは、綺群にメールの内容を話した。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加