第1話「THAADLOOP」

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??「ねぇ?どうして?ねぇ?どうして?あいつを殺そうとしたら…また同じ日に戻ってきちゃうの?おかしいよ…こんなの…?」そう言って取り乱す少女の名は…「高咲未亜」 私立桜ノ宮女学院に通う高校生である。彼女はこの日…36回目の8月23日の中に居た。 そしてループする時間の中で…擦り付いて行く記憶は彼女に前世での出来事を思い出させていた。前世でも同じ様に誰かを殺そうとして…上手くは行かなかった。そんな淡い夏の日の 記憶が蘇って来て…彼女の中に…深い後悔となって降り注ぐ。終わらない八月の日曜日はまだ暑く…蝉時雨の声が聞こえ始めた夜が何処か懐かしい…それでも繰り返される…短い夏の「残影」は 少女に深い闇を落としていたのだ。そして…頭を掻きむしる少女は目を見開いて独り言を呟く… 高咲未亜「これで何回目なのかな?あと何回ヘマをすれば…私は私を超えられるかな?ねぇ?もうどうしたら良いかわかんないよ…何でなの?あっそろそろ遥華から電話がかかって来る時間だ?」
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