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「ボォーーーンッッッ」
「えっ!?」
なんて!? 今なんて? なんて呼んだっ? 今は盆じゃないっ……敏感少女の季節柄の一番恐ろしい時期を言うんじゃない!!
隣の女は部屋に入って来る。それと同時に私は離れた。女はボンに駆け寄った。足があるのか?? ボンと呼ばれた猫らしき物体も女に飛び付いた。
──なんだ、これは? 動物系感動ドラマかっっ!?──
「どこに行ってたのよぉぉ? ボォォン……」
女は思いきり抱き締める。
「会いたかったよ! ボン。会いたかったよぉぉ……」
感動的な再会は私にとっては恐怖が増えただけ……。
──もう実家に帰らせてくださいっっ! 結婚する前にこんなセリフを吐ける私は最高っっっ……じゃないっっっ──
「なんだか嬉しそうだな。あの猫。可愛いなぁ」
──はあぁぁぁ!? お前にもあの感動的なシーンを見せてやりたいよっ!! 目玉がなくていつもニタニタ笑ってる女と目がぎらついて口から血を滴らせて、尻尾が二本あって牙と爪がえらい尖ってて……抱き合ってる姿……涙もろいお前ならテッシュが必要だろ! 持ってきてやるから一箱使い切れっ!! ちなみにあの猫の口元も優しく拭いてやれ!!──
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