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「本当にっっっ!? 嬉しいっっ……ボンまた一緒に暮らせるよ! また一緒だよ」
女はボンとの顔に頬をすり寄せる。すればするほど女の顔は血まみれだ。
「あの……つかぬことお伺いしますが、そのボンお食事はなんでしょう……? その血まみれの口元から察するに人間とか……」
血まみれの顔をした女がこちらを向いた。ニタニタ笑いながら私を見た。あの目とあの口元……もうだめだ。きっと私は死んだらこの女に弟子入りだっっ! 地縛霊になって人類みな呪ってやるっっっ!!
「うん? キャットフード……たまに猫缶」
女はあっさり答えた。
「──はいっっ!? キャットフードと猫缶ですかっ? その滴る血はなんですかぁぁぁ……」
私はパタリと倒れた。
その瞬間ボンが飛びかかってきた!!
「ギャャャャ……」
もう白目状態の私の顔を、あの血まみれ口元で口を開け舌ずりをして牙を見せボンが鋭い目付きで覗き込む。
にゃぁぁぁ……
「なんだ。もう仲良しかぁ、拾ってきて良かったぁ……」
「お前……墓穴二つほっとけ……呪わば穴二つだっっっ」
ボンは私のひきつった顔をペロペロ舐めた。もう涙ポロポロだっ。くすぐったいけど……お猫様、味見はいかがですかぁっっ……
「あらっ! ボンが彼女さんを気に入ったみたい……ボンはね、舌が長いからいつも自分で舌咬んじゃって血まみれなのよ。良かったね彼女さん。ボンをよろしくね」
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