恐怖よ……こんばんわ

6/6
前へ
/6ページ
次へ
 季節はもう夏だっ。夏の季節は嫌いだ。寝苦しい……生温かい風も感じる。なんだ手足が動かない……いやなんとか動く。もしやまた金縛りか……。だから夏の夜は嫌なんだ。あぁ……身体が重たい……誰か乗ってる……怖い怖い怖い、また金縛りっっ……。  私はおそるおそるこっそり目を開ける。意をけっして重たく感じる方を見る……もう慣れたぞっ、こんなの。お隣のあいつに比べれば……さぁ、今度はどんなやつだっ!!。 「──!?」  ──太ったものが私の身体に呑気に寝てるっっっ! ──  私はバッと起きてヒョイッとそれを抱え、ドアを開け勢い良くそっちにそれを放り込んだ。 「お前はそっちだぁぁぁぁ!!!」  宙を飛んでいく二本の尻尾…… 〈了〉
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加