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季節はもう夏だっ。夏の季節は嫌いだ。寝苦しい……生温かい風も感じる。なんだ手足が動かない……いやなんとか動く。もしやまた金縛りか……。だから夏の夜は嫌なんだ。あぁ……身体が重たい……誰か乗ってる……怖い怖い怖い、また金縛りっっ……。
私はおそるおそるこっそり目を開ける。意をけっして重たく感じる方を見る……もう慣れたぞっ、こんなの。お隣のあいつに比べれば……さぁ、今度はどんなやつだっ!!。
「──!?」
──太ったものが私の身体に呑気に寝てるっっっ! ──
私はバッと起きてヒョイッとそれを抱え、ドアを開け勢い良くそっちにそれを放り込んだ。
「お前はそっちだぁぁぁぁ!!!」
宙を飛んでいく二本の尻尾……
〈了〉
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