第一章 夢と現

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 居間に行くと、湯気のたった美味しそうな和食が並んでいる。 菫さんも薫さんもいない。 ふたりとも着替えに行ったか買い出しか。 そんなくだらないことを考えながら朝食を完食。 カバンを持って家を出た。 空を見上げてふと思う。 ___あの日もこんな空だった。 曇天の空模様なのに、風だけが気持ちいいような変な天気。 学校へゆっくり向かっていた、その時だった。 「北条雪で間違いないな。」 ゆっくりと立ち止まる。 「何用だ。」 ピリピリと感じる殺気。 「お前が……お前さえ居なければッ!!」 男の悲鳴に近い声が響いた。 パンッと何かの破裂音がしたあと、激しい痛みと辺りが白くなっていくのを覚えた。 ___やっと死ねるんだ。 一抹の後悔と、嬉しさが込み上げてきたのを最後に意識を失った。
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