互いの推しに押しましょう!

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 それからしばらく、作戦を話し合った。 「じゃあ、マリーの方はそれでいいよね」  私がことあるごとにレオンを呼び出し、その先々で困っているマリーが現れる、という作戦だ。 「上手くいくでしょうか……?」 「少なくとも、接点は持てる。そこからは、マリーがレオンにアピールしていくの。私も、レオンには徐々に冷たく接していくから」  マリーは不安気に頷いた。 「それで、エレーナ様の方はどうしましょう……?」 「あー…………」  私たちは頭を抱えた。  ブラン様には、ガブリエル王子の来訪中にしか会えない。彼はガブリエル王子の専属護衛なのだ。  リベルテ王国一行がヴィルコーン王国に滞在するのは7日間、その間にブラン様に近づかなくてはチャンスはない。 「でも、大丈夫! ブラン様と私はもう顔見知りなわけだし……私は私で、うまくやるから!」  先ほど、ブラン様に横抱きにされた時の胸の高鳴りを思い出しながら、絶対に近づいて見せると胸に誓う。  すると、マリーが「ふふっ」と笑った。 「エレーナ様は、お強い方なのですね」 「だって、幸せは自分の手で掴み取るものでしょう? このゲームで、私は学んだの」  私は、前世での推し活を思い出した。
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