116人が本棚に入れています
本棚に追加
初めてのキス
マリーと作戦会議をしていたから、気付けば夕暮れになっていた。
突然、ガラガラと救護室の戸が開く。
「もう具合は大丈夫なのかい?」
レオンだ。
彼はベッドの縁に座った私を見て、ふわりと微笑んだ。マリーとお喋りに興じていたとでも思ったのだろう。
ふと隣を見ると、マリーはほんのり頬を染めている。
――本当に、レオンが好きなのね。
「ええ。彼女が看病してくれて、すっかり良くなりました。楽しくお喋りまでしてくださったの」
私もレオンに微笑み返す。
マリーの恋のアシストしたつもりだ。
するとレオンはマリーにもふわりと優しい笑みを向ける。
私は心の中でガッツポーズを決めた。
「私の婚約者が世話になった。どうもありがとう。君は、確か転入生の――」
「マ、マ、マリーと言います!」
真っ赤になりながら、マリーが必死に名乗る。
――か、可愛い! 推せるじゃん!
私はこっそりと、絶対にマリーとレオンの恋を成就させようと、意気込むのだった。
最初のコメントを投稿しよう!