初めてのキス

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初めてのキス

 マリーと作戦会議をしていたから、気付けば夕暮れになっていた。  突然、ガラガラと救護室の戸が開く。 「もう具合は大丈夫なのかい?」   レオンだ。  彼はベッドの縁に座った私を見て、ふわりと微笑んだ。マリーとお喋りに興じていたとでも思ったのだろう。  ふと隣を見ると、マリーはほんのり頬を染めている。  ――本当に、レオンが好きなのね。 「ええ。彼女が看病してくれて、すっかり良くなりました。楽しくお喋りまでしてくださったの」  私もレオンに微笑み返す。  マリーの恋のアシストしたつもりだ。  するとレオンはマリーにもふわりと優しい笑みを向ける。  私は心の中でガッツポーズを決めた。 「私の婚約者が世話になった。どうもありがとう。君は、確か転入生の――」 「マ、マ、マリーと言います!」  真っ赤になりながら、マリーが必死に名乗る。  ――か、可愛い! 推せるじゃん!  私はこっそりと、絶対にマリーとレオンの恋を成就させようと、意気込むのだった。
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