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恋の始まりは突然に
私、エレーナはヴェルナー侯爵家の令嬢で、幼い頃からこのヴィルコーン王国の王太子婚約者として育てられた。
王太子であるレオンも私を婚約者として認知している。
私が幼い頃から城の茶会に参加していたこともあり、私たちは幼少期から共に過ごしてきた。
時期が来たら私たちは婚姻を結ぶ。
そう信じて生きてきたのだけれど、王立学校に入学して3年経った今日、私の運命は大きく動いた。
「リベルテ王国の王子が来校するんだ。もちろん、エレーナも共に来てくれるよね?」
昨夜、寮のラウンジから部屋に帰るところをレオンに呼び止められ、そう告げられた。
「リベルテの王子ですか? 城に直行し滞在する予定ではなかったです……?」
「ああ。だがリベルテの王子がぜひとも王立学校を見学したいのだと。私もエレーナを自慢したかったし、いい機会だと思うんだ」
いずれは私もプリンセスとして、外交に関わっていくことはあるだろう。
顔合せをするには、いい機会かもしれない。
「リベルテの王子はどのような方なのですか?」
レオンはリベルテ王国を何度か訪ねたことがあり、王子と面識がある。
その度に私の話をしているらしく、王子はぜひ私に会いたいと言っているらしい。
「いいヤツだよ。ちょっとクセがあって食えない王子だけど……」
私はそんな話を聞きながら、王太子婚約者として恥じぬように振る舞わなければと意気込んでいた。
しかし、いざ王子が王立学校にみえて、私は言葉を失った。
校門前で、レオンと共にリベルテ王国の王子を出迎えたのだが、王子の隣に立つ人物に私は心を射抜かれてしまったのだ。
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