甘いため息ーーイケないお兄さんは好きですか?4

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 惨めで可哀想の響きにグラスの中が波立つ。 「瑠美も言ってましたが、私達の関係だと手を出されるのが普通ですか?」 「援助の見返りを求めないのは、普通に良いお兄ちゃんだろ。俺は無理」 「ーー良い、お兄ちゃん」  和樹お兄ちゃんが良いお兄ちゃんであるのに異論はない、ないけれど。瑠美に続き彼にまで同じ見解でショックを受ける。 「果穂チャン、ほら飲もうよ!」 「え、あっ」  グラスを口に付けさせられ、煽られた。お酒が強くない私は段々とボーッとしてきて、多くを考えられなくなっていく。 (和樹お兄ちゃん)  ふわふわ、ゆらゆらする意識でお兄ちゃんの姿だけが浮かぶ。  優しく、時には思わせ振りな笑い方をして、いつだって私を翻弄する。良いお兄ちゃんでーーイケないお兄ちゃん。  身体に力が入らなくなり、熱くなる。とっくに約束の30分は過ぎただろう。 「果穂チャン」  胸元に伸びてくる気配がしたが動けない。 (私って本当にバカだな)  後先考えず行動する自分を恥じつつ、それでも願わずにいられないんだよ。 (和樹お兄ちゃん、助けて)
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