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和樹Side2
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「和樹さんですか?」
待ち合わせに指定されたコンビニへ着くなり、声を掛けられた。
「ーーあぁ、君が瑠美さん?」
店内に入らず駐車場で俺の到着を待っていたらしい。血の気が引いた顔立ちは泣き出す寸前。苛立ちをぶつけたくなるのを抑え、事情を聞き出す。
「それで果穂ちゃんは? 正樹の話によると君の友達の家に行ったんだよね?」
「は、はい。あの、弟さんから連絡して貰っちゃって、すいません。和樹さんへどうやって知らせたらいいのか分かんなくて」
「いや、そんな事はどうでもいい。君が友達の住所を知らないとしたら、誰に聞けば分かるかな?」
「それがその、弟さんにも言いましたが」
彼女は力なく首を横に振った。
昨夜から果穂ちゃんと連絡が取れなくなり、現在に至る。
トラブルに巻き込まれた果穂ちゃんを助けたくて、いちにもなく駆け付けたはいいが肝心の居場所を把握できない。
正樹も知っていそうな人物へ聞いて回るものの、有力な情報は得らず……。
「本当にごめんなさい、あたしが、あたしが果穂を!」
「少し待ってて」
俺はすばやく水を購入すると、彼女へ渡した。
「飲んで。いったん落ち着こうか」
悠長な事も言ってられない。しかし、彼女を責め立て泣かしたところで無意味だ。
「ゆっくり飲んだら深呼吸して」
とりあえず店先へ移動、怯え切った背中を撫でてみる。すると限界まで溜めていたであろう感情が溢れ出す。
「あたし、先輩に果穂を紹介しないとアナウンサーになれなくするって言われて。先輩の両親が芸能界と繋がってるから」
「自分勝手だな。果穂ちゃんは君を親友だと言ってたよ?」
「は、はい、あたしは、親友をーー自分の夢の為に売りました。果穂はあたしの為に先輩の部屋へついて行ったのに」
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