甘いため息ーーイケないお兄さんは好きですか?6

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甘いため息ーーイケないお兄さんは好きですか?6

■ 「ーーふぅ」  私は臨月を迎える腹部を撫で、ひと息。 「お疲れ様」  和樹さんがすかさずお水を持ってきてくれる。 「和樹さんこそ、忙しいのに時間を作ってくれてありがとう。出産したら暫く行けそうもないから」 「両親の墓参りなんだよ、行くのは当然。それよりテレビはいいの?」 「あ、そうだった!」  促され、テレビを付けると瑠美が映り、バラエティー番組の進行役をつとめる。 「お腹空いてない? 何か作ろうか?」 「あ、じゃあ、私が」 「いいから、いいから。奥様はソファーに座ってテレビを観ていて。メニューのリクエストは?」  レストランみたいにオーダーを聞いてくる、。お墓参りに同行してくれたお礼とし、そのお芝居に付き合ってあげよう。 「ハンバーグ、グラタン、オムライス。お昼が遅かったし、サンドイッチもいいなぁ」 「はは、直に母親になるのに子供舌なんだね。3人で食べられる日が楽しみ。サンドイッチを作るよ」 「ありがとう、和樹さん」 「帰りに寄ったスーパーで何を買ったか、把握してたんだろ?」 「和樹さんが作るタマゴサンド、私の好物なの。お料理の上手な旦那様で幸せ」 「あぁ、俺も」  私の髪をサラリと透き、和樹さんはキッチンへ。
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