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そんな状態の中、病院へ行く日が来た。
だが、娘は、どうしても休みが取れなかった。
すると、娘の旦那様、Yちゃんが、仕事に行くついでに
乗せて行ってあげると言う。
病院と、Yちゃんの会社は、車で15分位しか、離れて居ないそうだ。
その言葉に甘えて、朝早くから、病院へ行った。
私の、予約時間も、8時30分だったので、早く着くのは有り難い事だった。
帰りは、どうしようと言ったら
「全て終わったら、電話して下さい。迎えに行きます」と言う。
それなら、安心だと、全面的に、お世話になる事にした。
8時前に、病院の玄関に降ろして貰い、病院へ入って、驚く。
6人ずつ並んで座っている長椅子、10個が二列、120人ぐらいの人が
静かに、順番待ちをしている、まるで、映画館みたいだと
驚いている私に「最後尾はここです」と、職員さんが、私を連れて行く。
その椅子に、座れなかった人が、通路に立って、順番待ちをする列だった。
暫く待っていたが、何も動く気配は無い。
そんな中、私の後ろに並んでいる人の列は、一杯になった様で
その隣に、またその隣にと、行列は増えて行く。
私は、立っている事に絶えられなくなり、丁度傍を通った職員さんに
「あの~何時まで待つのでしょうか」と、聞いた。
「後、15分で、カルテを発行する機械が、動きますから」
「ええっ、それまで耐えられません」「おうちの方は?」
「それが、今日は、私一人なんです」「じゃ、椅子を持って来ましょうか?」
「お願いします」私は、その言葉に飛びついた。
職員さんは、直ぐに椅子を持って来てくれた。
「背もたれが有りませんから、気を付けて下さいね」
と、気遣ってくれる、優しい言葉が身に沁みる。
「有難うございます、有難うございます」嬉しくて、何度も、お礼を言った。
やがて機械が動き出し、6人ずつ整然と並んで、機械が発行してくれる
カルテを貰う、貰った人の後に「あ、あそこが開きましたよ」
と、すぐ次の人に、職員さんが誘導する。
あっという間に、長椅子に座っていた人が居なくなり、待っていた私も
椅子を、職員さんに返して、空いた長椅子に座ったが
直ぐに順番が来て「あそこへ」と、私も、空いた機械に誘導された。
そこで、カルテを貰い、エレベーターで、三階の採血室に行く。
そこでも、受付の、二つの窓口に、二列の長い行列が出来ていた。
ここは、順番が来るまで、待たないといけない。
一階で椅子に座っていたんだ、何とか、耐えねばと歯を食いしばる。
長い列は、後ろに仕えた様で「三人ずつの列になって下さい」と
言われて、三列になったが、受付は、二つなので、進む時間は同じだった。
もう、足も腰も駄目だと、思った時、やっと私の番が来た。
生年月日と名前を告げて、受付をして貰い、どこかに座れる場所はと
見渡したが、どの椅子も一杯だった。
反対側の壁の傍に、やっと一つ空いていた、私はラッキーと、椅子に座る。
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