退院

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私は、長く立ち続けて、がくがくする膝を、やっと休める事が出来て ほっとし、こんな膝になってからは、娘が車椅子に乗せて あちこちに、運んでくれ、こんな思いをしなくて良い事に、深く感謝した。 しかし、今までの予約で、8時半と言う、早い時間は無かった。 だから、再来院のカルテを発行してくれる機械に、並ぶ事など無かったが 朝は、こんな風になっているんだと、初めての経験に、驚く。 暫くすると、普通はカルテの番号で呼ばれるのに 私の名前を呼ぶ、職員さんが居た。 「はい」と、椅子から立ち上がると「貴女のカルテには、記載されていない 項目が有りますので、先生に聞く事になりましたから」と カルテとは違う、番号札を貰い「そのまま待っていて下さい」と、言われた。 そんな事も、初めてなので、どうなっているんだろうと、不安になる。 だが、番号札は23番、という事は、こんな人が 私より前に、22人居た事になる、等と思っていたら、その番号が呼ばれた。 呼んだ職員さんに連れられ、10台以上ある採血台の中の 空いたばかりの採血台で、採血をして貰う。 それから、またエレベーターで、産婦人科の受付へと向かい カルテを、再診の箱へ入れ、待合室で待つ。 ここまでで、もう私はヘロヘロで、何も考えられない程、疲れてしまった。 受付も済み、73番に、行って下さいと言われ、よろよろと73番の 診察室を探したが、どこにも無い、もう、歩く事も出来ず 傍の椅子に座っていたら、先生かナースさんか、と言う女性が通りかかった。 「すみません、73番の診察室を探しているのですが、、」と、聞く。 その方は、親切に探してくれたが「無いですね~」と、言い 私が持っているカルテを見て「あ、79番って、書かれてますよ」と、指差す そこには、確かに79番診察室と、書かれていた。 頭が、ぼーっとしていた私が、聞き間違えた様だ。 「すみません、お忙しいのに、お引止めしちゃって、申し訳ありません」 私は、本当に申し訳なくて、大きな体を縮めて、謝った。 「いえいえ、構いませんよ」その方は、優しくそう言うと、去って行った。 79番診察室の前で、待っていると、3人目が、私の番だった。 「00です」と、先生が名前を言う、また、先生が代わったようだ。 私の頭には、もう、先生の名前も入らず、顔さえ見られない状態だったが 何とか、副作用で、水も、唾液すら喉を通らず、咳で苦しい事を、訴えたが 「そうですか、でも血液検査の結果は、良好です」と、先生は言い 「口内炎も?どれどれ」と、口の中を見た先生は 「では、口内炎の薬を出しましょう」と、処方箋を書いてくれた。 そして「次回は、入院ですね」と、入院の手続きの書類を、呉れそうになる。 「あ、それ、退院する時に、貰ってます」と、断り、診察は終わった。 受付に、カルテを提出し、次回の予約表を貰って、一階へ降りる。 喉が、カラカラだ、会計が出来るまでは、時間が有る。 もう、歩かないぞ、と言っている足を励まし、必死で 院内に有る、コンビニまで行って、お茶を買って、少しずつ少しずつ飲む。 何時もは、待つ会計も、直ぐに出来て、自動支払機で支払いを済ませ Yちゃんに、済んだと電話する。 「早かったですね、直ぐ行きます」と、言うので、ちょっと待ってから 玄関を出て、ベンチに座って待つ。 20分ほどで、Yちゃんが来てくれた、車に乗って、ほっとする。 「どこの、スーパーに寄りますか?」と、Yちゃん、時間が有ると言うので 来る時、帰りにスーパーへ寄りたいと、言っていたからだが 「もう、スーパーへ寄る元気は有りません、でも、薬局に行って下さい」と 処方箋が、出ている事を話す。
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