入院する

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入院二日目、さて、いよいよ今日からだなと、気を引き締めていたら 昨日の血液検査で、肝臓の方で引っ掛かりが有ったと 担当の美しき女医さんが言う。 肝臓?この歳まで生きて来たから、肝臓も悪くなっているのだろうと、思う。 詳しい血液検査をするので、また採血をさせてと、ナースさんが来て 「右手は、利き手だから、左手から採血しましょうね」 と、優しく言う。 だが、左手の血管は、採血したり点滴をするには、向いていない。 一番太い血管には、傷が有って針は刺さらないからだ。 だが、ナースさんは、何も無い所を、指先で撫で 「ここに、血管が有るんだよね」と、言ったが 私には、血管の影も形も見えない。 その何も無い所を、消毒し「ちょっと、チクッとしますよ」 と、ナースさんは針を刺す。 大丈夫か?と、心配だったが、何時もの、チクッという痛みは 全く感じないまま、血液が吸い上げられて行く。 「上手く行ったみたいですね」と、ナースさんは、手際よく 二本分の血液を採ると、針を抜いたが、また痛みは全然なく 刺した後が、何処なのかも分からない所に、小さな四角い絆創膏を張ると 「有難うございました」と、病室から出て行った。 今まで、何度となく採血をしたが、こんな上手な採血は、初めてだった。 しかも、目に見えない血管から、採血するなんて、、、 あの若さで、何と言う凄業だ、いや、神業だ!! あまりの驚きで、そのナースさんの名札を見なかった事を、後悔した。 人の顔や名前を覚えられない私は、マスクをしているナースさんは 皆さん、同じ人に見えて「今日の担当は、00と△△です」と 名前を聞いても、うまく顔と結び付けられない、駄目患者だった。 その日は、血液検査の結果待ちという事で、また暇な一日となる。 昨夜、あまり眠れなかったので、昼寝を、、、出来なかった、、、 相変わらず、Bさんが、ナースさんに自分の状態を訴えたり 薬はこれで良いのかとか、自分が納得できるまで 来るナースさん、全員に、ずっと聞いているからだ。 それだけじゃ足りないのか、担当の先生やら、手術をしてくれた先生やら リハビリの先生やらにも、同じ事を聞き倒す。 ナースさんや、先生達も、迷惑だろうが、その全部の訴えを 一から十まで、全て、何度も聞かされる、同室者は、たまった物じゃない。 特に、カーテンだけで仕切られている、私には、Bさんが立てる 色々な音が、全て筒抜けだった、その日も 「どうか、お守り下さいませ、娘の00は、とても良い子なんです どうか、お守り下さいませ、息子の、、、」と 家族全員の名前を言って、守って下さいと、誰かに、お祈りしている。 Bさん、、、お祈りって、心の中でする物じゃ無いの? これじゃ、昼も夜も、眠れない。 あ~~こんなに眠れないのだったら、パソコン持って来れば良かった。
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