退院

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退院

4月28日、日曜日、室温が下がって、過ごしやすくなり 快適になったが、相変わらず、食欲は無く、便も、すっきり出ない。 それ以外は、血圧を下げる薬を飲んでいるので 血圧も熱も平常で、何も、問題は無かった。 なので、退院も予定通り、4月30日だと、担当の先生が言う。 29日までは、連休なので、病院もお休み、だから、退院は出来ないのだ。 そんな話をした後、Bさんも退院したいと言い出す。 「家に帰って、自分の好きな物を食べた方が、早く元気になれそうだから」 そう言い張るBさんに「そうですね~その方が良いかも知れませんね。 思っていたより、回復も早く、随分歩かれているようですし」 先生も、退院の許可を出し、私と同じ30日に、退院する事が決まった。 Bさんは、自分の思い通りになったのが、嬉しい様で ルンルン気分で、家族に知らせた様だ。 なのに、まだ食事の事で、グダグダと、何か、ごねた挙句に ナースさんに、食事の内容の変更を頼んだ。 「分かりました、その様に伝えますが、夕食には間に合わないかも知れません 明日の朝からに、なると思いますが」ナースさんは、そう言って部屋を出る。 もう、午後の三時、夕食には、とても間に合わないだろうと、思っていたが ナースさんが、喜びの声で「Bさん、夕食から変更してくれるそうです」と 報告に来た、だが、Bさんは「そうですか、でもやっぱり、明日の朝からで お願いします」とう言う、何で?何で明日の朝からなの?訳が分からない。 「そうですか、では、その様に、伝えて来ます」さすがのナースさんも ちょっと元気の無い声で、そう言って出て行った。 きっと、厨房の人に「急な、変更で申し訳ありませんが、、」 と、頭を下げて、頼んだのに違いない、なのに 「さっきの変更、明日の朝からで、お願いします」 と、また、頭を下げに行くんだ、可哀そうに、、、 『孫みたいな歳のナースさんを、困らせるんじゃないよっ』と、腹が立つ。 その夜も「今夜の夜勤担当は、00と△△と、□□の三人が、担当します」 と、何時ものように、ナースさん達が来て、血圧体温、薬の状態等々 チェックしてくれる、私のチェックは、5分ほどで終わり、隣のBさんへ 何時も通り、なんだかんだと、無駄な話が多いBさんに 「今夜の夜勤は、三人で、このフロアを回るんです」と、ナースさんが言う。 ナースさん達も、連休なので、シフトのやりくりで、大変みたいだった。 「へ~三人で?」「はい、日曜日なので」「ここ全部回るの?大変じゃない」 「そうなんです」早く、次の部屋に行かねば、、、だから、もう お喋りは、その位でと言う、ナースさんの思いが、ひしひしと伝わる。 するとBさんは「じゃ、今夜は大人しくするわ」と、言い放った。 え?自分でも、うるさくしてるって言う自覚は有るの? それが分かっていて、うるさくしてるの?驚きだった。 ナースさん達も、驚いた様だが「お願いします」とだけ言って 部屋を出ようとする、途中まで行ったナースさんに「あ、ちょっと」 と、呼び止めたBさん「は、何でしょうか?」ナースさんが、聞くと 「カーテン、ちゃんと閉めて」と、言う。 「あ、風が当たらない様に、奥まで引くのでしたね」戻って来たナースさんは そう言って、カーテンを奥まで引いてやる。 私より、すたすた歩けるのに、カーテン位、自分で閉めろっと 私は、心の中で叫んでいた。
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