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柊大と付き合い始めて2年。
明日、結婚式に親友の茉梨と柊大の幼馴染の星くんも来る。
「柊大。」
「ん?どうした翠菖。」
彼が抱きしめながら頭を撫でる。
柊大はバイセクシャルで、星くんと凄く親しい。
不安が襲ってきて彼に抱かれたくなる。
小さい電気と雪が降ってる時の静けさで
駆り立てられたのか、柊大が優しく唇を重ねて激しくしてく。
甘々な時間の後、シャワーを浴びて
彼が戻ってくるまで布団の中に包まっていたら
茉梨からメッセージが届いた。
[遅くにごめんね。翠菖が式を挙げる前に伝えたい事があって]
ん?
茉梨の意味深なメッセージ。
[伝えたい事って紫暮さんのこと?]
[ううん。翠菖の事が......]
[うん。]
[何でもない!]
[そっか.....。]
[うん。翠菖おやすみ]
[おやすみ。]
茉梨の伝えたかったことって.....。
気になる!
「翠菖?」
「柊大っ...。」
「寝よう。」
「うん。」
「おやすみ。」
「おやすみ。」
「......。」
寝れない。
!
柊大が抱きついてきた。
落ち着く。
ーーー
16日。
「んん......!?」
あれっ?
柊大が居ない!?
鮭の塩焼きとサラダを作って食べたあと
支度をして家から車で結婚式場へ向かう。
結婚式場に到着してウェディングドレスを着て
準備をしたあと、控え室に入ると柊大が居る。
「柊大っ!」
「お。翠菖ごめん、真夜中から1時間前まで星と会ってた」
「そうだったんだ......。」
星くんと何してたんだろう。
まさか。
「うん。翠菖」
柊大が私の頬を撫でて柔らかく頬笑む。
「ん?」
「愛してる。」
もやもやする。
「私も柊大の事愛してる。」
ノック音。
「失礼いたします。お時間です」
『かしこまりました。』
ーーー
二次会で茉梨と目が合う。
3次会でも茉梨の様子が気になる。
「翠菖ー!柊大に泣かされたら私にいつでも甘えてきてー。」
「うん。ありがとう」
「どういたしましてー。」
柊大の方を見ると、星君や他の男友達と喋ってる。
三次会のあと、お酒を飲んでない私が柊大や
茉梨と一緒に車で帰る。
暖房の付いた車内、ふわふわと降る雪。
茉梨の住むアパートに着いた。
「茉梨大丈夫?」
ふらついてる。
「うん。大丈夫だよ!翠菖ありがとうー」
茉梨を支えながら彼女が部屋の鍵を開けて
玄関で躓きそうになるのを止める。
「茉梨......?」
泣いてる!?
「グスッ。翠菖ー......」
抱きついてくる彼女に
「...寝室に入っても大丈夫?」と聞く。
「うん。大丈夫だよ......」
「ありがとう。」
「いえいえ。」
『......。』
彼女の涙をハンカチで優しく拭く。
茉梨が私の髪に触れ、切なそうに
「おやすみ。」とふわふわとした声で言ってくる。
「お、おやすみ。」
彼女の部屋から出て車に乗る。
助手席に乗ってる柊大が甘えてくる。
「翠菖、帰ろう。」
「うん。」
15分後、柊大と私が住むアパートに着いて
お風呂に入る。
茉梨が泣いてたのが気になる。
「なあ、気になってたんだけど
翠菖って茉梨の事好きなの?」
「うん。親友として茉梨の事が好き」
「...そっか。」
「うん。」
「茉梨とは何も無かった?」
「うん。何も無かった」
「良かった。」
柊大がミネラルウォーターを飲んで
先に寝室に入っていった。
茉梨の泣いてる姿を思い出すたびに落ち着かない。
茉梨に抱きつかれた時のキャラメルのような
香り。
柊とジャスミンと翡翠が絡み合う。
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