ロープ

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 そこには犬がいた。しかも割とでかくてオオカミみたいな顔をしていた。多分、シベリアンハスキーだ。かなり厳つい顔をしている。  ハスキー犬は俺と目が合うとお座りをし、前脚を前に出した。お手、だろうか。俺はハスキー犬の前にしゃがんだ。よく見るとシッポを振っているし、厳つい顔ながら口角を上げて笑っているように見えた。俺は差し出された前脚を握った。  次の瞬間、ハスキー犬は顔を寄せ、俺の鼻あたりを長い舌で舐めた。俺が固まっていると、飛びかかってきた。しゃがんでいた俺はなす術なく仰向けに倒された。ハスキー犬は馬乗りになり俺の首や顔を舐めまわした。どうやら遊んでくれるヤツと思ったみたいだ。
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