ロープ

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 疲れていたからだろう。すぐに寝付く事はできたが、朝には目が覚めてしまった。俺は二度寝をするべく、目を閉じたが妙に神経が昂っていて、うまく寝付けなかった。夢の世界から締め出された感じだ。仕方なく、俺はベッドから這い出た。飛び起きるなんて芸当をするには疲れが抜けていない。  スマホを見ると智己からメールがあった。邪魔の入らない所で話がしたい、との事だった。俺の胸に小さな期待感が宿った。  今日はお袋は仕事。俺は休日。いつでも話せる。その旨を伝えるメールを送ると小さな期待感は暴れ出し、次第に大きく膨らんでいった。  しばらくすると握りしめていたスマホが鳴り出した。俺は間髪入れず、通話をタップし耳に当てた。
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