side ◯◯

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side ◯◯

「院長に、お礼を言っておいてくれ」 「かしこまりました」 「でも、あれだな。山伏の催眠は、よく効くものだな」 「あの薬を使って、疑似の夢を見せますからね。山伏は……」 「素晴らしい人材を見つけてくれて感謝しているよ。ほら、もうすぐ夫を捧げなくちゃならないだろう」 「もうすぐですね」 「彼女に協力してもらったのは、わかっているだろう。君も……」 「浦部桃乃と吉村結翔は、どれくらい住まわせますか?」 「そうだねーー。浦部桃乃には、役に立ってもらわなきゃいけないだろ?星野里穂が結翔に近づかないぐらいに傷つけてもらわないとね」 「わかりました」 「浦部桃乃には、情報を与えてあげなさい」 「わかりました」 男は、笑みを浮かべながらスマホ画面にうつる人を見つめている。 男の白い歯が、キラキラと輝いている。 隣にいる女もニッコリと微笑んだ。 この計画を吉村結翔は知らない。 偶然ではなく必然なのだ。 これは、君の使命。 いつまでも、チャラチャラした仕事をしていないで自分の役割を果たしてくれなくちゃ困るよ。 結翔……。
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