side 森野

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「ちょっと待って。私が、服部君に確認します。それまで、待ってもらってもいいですか?」 「社長、そんな事言っていたら手遅れになるんですよ」 「それでも、きちんと服部君に確認してからじゃないと。こんなの合成でも何でもいくらでも今の時代は」 「社長が服部の肩を持ちたい気持ちはわかります。でも、こんなものが送られてきたという事は事実だという事ですよね?火のない場所に煙は立てられない違いますか?」 「こういう人達は、火のない場所に煙を立てる事が出来るんです」 「それじゃあ、社長。結翔は、結婚していないんですね?」 どうして、またその問いかけをするの。 この事は、私達だけの秘密で。 結翔が結婚してる事を認めれば、圭介の噂が真実になる。 「社長。どうして、さっきから答えられないんですか?答えられないって事は真実なんですか?」 「社長、どうなんですか?」 「説明してください」 結翔が結婚してるなんて、今話せば圭介が責められるのは明らかだ。 だったら、嘘をつくしかない。 「結翔は、結婚してないわ」 「それじゃあ、この記事は嘘なんですね」 「そう。嘘よ」 この嘘がバレたら終わり。 でも、圭介を守る為に今は嘘をつかなくちゃいけない。 そうしなきゃ、ここにいるみんなが納得しない。 「よかった。やっぱり、服部はそんな奴じゃないよ」 「そうだよ。やっぱり、違うんだよ。こんなの嘘に決まってるよ」 よかった。 みんな、圭介を信じてくれてる。 そうよ。 圭介が結翔を殺そうとする事なんてあり得ないわ。 そんな事をしたら、里穂ちゃんが悲しむんだから。 「チッ。計画失敗か!」 「誰?」 「どうしました社長」 「いえ、何でもないわ」 誰の声かわからなかった。 計画って何? この中に、圭介を追い詰めようとしてる人間がいるって事? 嘘でしょ。 そんな人間いるわけない。 でも、今、ハッキリと聞こえた。 誰が言ったの? 私は、周囲を見渡したけれど。 みんな必死に今後の対応を考えている。 本当に圭介が結翔を殺そうとしたの? 何が真実かわからない。 ちゃんと圭介に話を聞かなくちゃ。 スマホを開いて圭介に【聞きたい事があるから連絡して】とメッセージを送る。 どうかお願い。 圭介は、そんな事していませんように……。
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