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◇
午前のボーカルスクールのレッスンが終わり、ある時スカウトが来たんだ。俺はてっきりどっかの音楽事務所だと思って手を叩いて喜んだ。
「君には才能があるわ。その才能を世のために使って貰えないかしら?」
「はい、喜んで」
こんな綺麗なお姉さんともお近づきになれるんだ。
さすが芸能界っ!?
「じゃあ、契約成立ね」
カチッ
「えっ、えっ? カチッって、これ何ですか?」
「君の声を武技に変えるものよ。そうねマイクみたいなものかしら」
「マイクって言うより……どう見ても首輪っすよね?」
えっ、俺飼われるの?
もしかして、このお姉さんの家で同棲ってこともあるのか?
それはそれでラッキーかも(喜)
「まあ、そうとも言うわね。じゃあ、早速来て貰おうかしら」
あれ? なんか急に態度が冷たくなってないか?
「早速って、まだ午後にレッスンが」
「もうここでレッスンは必要ないわ。ここじゃ歌しか習えないでしょ?」
「へっ?」
「いいからさっさと来る。いっとくけど、もうそれ嵌めたからもう逃げらんないわよ」
「はっ、ちょっ。まっ、いっ!?」
くっ、なんだコレ。
一瞬電気がピリリと流れたよな……。
彼女と距離が2メートル以上離れる度にピリッとする。しかも電圧が上がったように感じたのは気のせいだろうか?
ちょっとした電気だから平気だと思って無視し、俺は彼女と真逆の方向へと向かったのだが、5メートルくらい離れた頃にそれは起こった!?
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