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「……くっ、こっこんなことの為に、俺はミックスボイスを身に付けたわけじゃねーーーー」
俺は歌うミックスボイスで、高さはhigh highGまたはG5まで出せる。その声に達し、素質があると武技が覚醒するらしい。
「こらっ!? なんでヴィブラートかけてんのよ。そんなんじゃアノ女は滅せれないっての」
「うっ、うっさいないちいち。簡単なこと言うなよ。声を揺らぎなしでストレートに歌うのは難しいんだよっ!?」
そっ、それにこんな綺麗な女の子が本当にヴァンパイアだって言うのか?
俺は騙されてんじゃないのか?
「のわっ、ちょっとその犬のような鋭い牙たんま」
「ちっ、惜しいぞ……」
「っとに、アンタ使えないわね。犬ってより狼でしょ。本当に夜の世界を一生彷徨いたいの?」
……くっ、マジでこの女の子はヴァンパイアなのかよ。
しかし、危うく喉を抉られるところだったぜ。あっぶねーー。
「仕方ねえ、俺も男だやってやられれれ」
「はい、噛んだ。これで何回目」
「まだ一回目だよ!?」
俺は息を整える。
喉の上に空気圧を保ったまま、息を出し過ぎず、最小限の破気でそれを100パーセント声へと変換する。
(よしっ、喰らえこの化け物!)
俺は今度は声の揺らぎが起きないように、フォルテッシモで最大共鳴で声を標的へと飛ばす。
(俺の歌を聞けと言いたいけど、俺の武技なんだよな)
━━純真な声による破壊!?
ギャ―――――――――――――――――
「よっしゃあーーーーどうだ倒したぞレミー」
「フンッ、もっと早く始末しなさいよ。おかげで余計な武技を消費したわ。それと、勝手に呼び捨てにしないで、私はアンタの先輩なのよ」
「ちっ、倒したんだからいいじゃねーー……」
パッキ――――――ン
げっ、やばっ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ひぃっ、殺気!?
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