タカトのブギ―・トーン

6/10

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「……くっ、こっこんなことの為に、俺はミックスボイスを身に付けたわけじゃねーーーー」 俺は歌うミックスボイスで、高さはhigh highGまたはG5まで出せる。その声に達し、素質があると武技が覚醒するらしい。 「こらっ!? なんでヴィブラートかけてんのよ。そんなんじゃアノ女は滅せれないっての」 「うっ、うっさいないちいち。簡単なこと言うなよ。声を揺らぎなしでストレートに歌うのは難しいんだよっ!?」 そっ、それにこんな綺麗な女の子が本当にヴァンパイアだって言うのか? 俺は騙されてんじゃないのか? c1215f2c-8d08-4d1b-8e68-362625bfa203 「のわっ、ちょっとその犬のような鋭い牙たんま」 「ちっ、惜しいぞ……」 「っとに、アンタ使えないわね。犬ってより狼でしょ。本当に夜の世界を一生彷徨いたいの?」 ……くっ、マジでこの女の子はヴァンパイアなのかよ。 しかし、危うく喉を抉られるところだったぜ。あっぶねーー。 「仕方ねえ、俺も男だやってやられれれ」 「はい、噛んだ。これで何回目」 「まだ一回目だよ!?」 俺は息を整える。 喉の上に空気圧を保ったまま、息を出し過ぎず、最小限の破気でそれを100パーセント声へと変換する。 (よしっ、喰らえこの化け物!) 俺は今度は声の揺らぎが起きないように、フォルテッシモで最大共鳴で声を標的へと飛ばす。 (俺の歌を聞けと言いたいけど、俺の武技なんだよな) ━━純真な声による破壊!?(ディストラクション・パーウネ・ヴォアピュア!?) ギャ――――――――――――――――― 「よっしゃあーーーーどうだ倒したぞレミー」 「フンッ、もっと早く始末しなさいよ。おかげで余計な武技を消費したわ。それと、勝手に呼び捨てにしないで、私はアンタの先輩なのよ」 「ちっ、倒したんだからいいじゃねーー……」 パッキ――――――ン げっ、やばっ。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ひぃっ、殺気!?
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加