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「芽が出たんだね」
と先生は、女の子達に笑顔で言い、
「花が咲いたらみんなで絵を描こう」
と言うと、女の子達は飛び跳ねて喜んでいる。
「先生は、たくさんの方に慕われていますね」
僕が言うと、
「そうですか」
と先生は、照れた顔で言った。
「僕もその中の一人です」
と言ってから、
「実は道場に通うのが、ずっと嫌だったのです」
と言うと、先生は僕の顔をじっと見た。
「でも、先生が道場に来てからは、先生に憧れ、先生のように強くなりたいと思いました」
と言うと、
「だから、この間も言ったけど剣に強さが出てきたのですね」
と先生は言い、
「目標を持つことは、それに対して真剣に取り組むことだからとてもいいことです」
と言ってから、
「武一郎君は、確実にのびてきています」
と笑顔で言った。
僕は、とてもうれしかった。
「この朝顔の芽と同じようにぐんぐん伸びて綺麗な花を咲かせてください」
と先生は言って、立ち上がった。
「はい」
僕は、大きな声で返事をし、
(強くなるんだ)
と思い、両拳に力を入れてむすんだ。
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