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婚約者候補
パーティーの後、三日三晩泣き続け、浅はかな自分に呆れた結果
「お兄様!わたくし出家します!」
「はあ?」
開いた口が塞がらないローレンスお兄様
「今度は何を言い出すんだアイラ!」
呆れた顔でルーカスお兄様がわたしくしに言いました
「わたくしチョコレート王子に失恋致しました!こうなった以上、もう神につかえるしかありません!」
「ちょ、ちょっと待て!縁談なんて山程きているはずだろ?」
ルーカスお兄様が言いました
「いいえ、ルーカスお兄様!わたくしチョコレート…いえ、フェリックス王子以外考えられませんから!」
「アイラ!待つんだ!」
慌ててローレンスお兄様がわたしくしの腕をつかみました
「いいえ、ローレンスお兄様だって結婚されてここを出て行かれるのに、わたくしがこのまま残っては『氷の小姑』と呼ばれ、みんなに迷惑をかけます!ですから、わたくしは荷物をまとめて教会へ行きます!」
「わかった!アイラ、僕は婚約破棄する!」
「え?」
「一生アイラの面倒は僕がみるから、出家なんてやめてくれ!」
「ローレンスお兄様」
わたしくしとローレンスお兄様は手を取り見つめました
「おい、二人共!いい加減にしてくれ!」
ルーカスお兄様が頭を抱えて言いました
「兄さん、僕は本気だよ!」
「いい加減にしろ!ローレンス!シスコンにも程がある!」
「アイラも、縁談は他にもあるだろ?全く、ヨーク家でまともなのは僕だけか!」
ルーカスお兄様が大きなため息をつくと、ソファーにドカッと腰をおろしました
わたくしとローレンスお兄様は肩を落としてチラリとお互いを見つめました
「何の騒ぎだ、いったい」
そこへお父様が帰って来ました
「お帰りなさい」
「お帰りなさい、お父様」
「お帰りなさい」
「大きくなっても兄弟ゲンカか?」
お父様が呆れて言いました
「いえ、そうではなくて、アイラの結婚の事で」
ルーカスお兄様が説明をしようとすると
「おや、もう聞いたのか?」
「え?」
わたくし達三人は声をそろえて驚きました
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