2人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
その夜、私は高熱を出し、1週間寝込んでしまいました
風邪をこじらせ、肺炎をおこしたのでした
一時は危篤状態に陥り、家族をとても心配させたそうです
目を覚ました瞬間、わたくしは自分の変化に大変驚きました
何故なら、あのコンプレックスだった癖っ毛がサラサラのストレートヘアに変貌していたのです
さらに私の頭の中には前世の記憶が流れ混んできたのでした
私は日本人で、ごくごく平凡な毎日を送っていた
容姿も頭脳も平凡な中の中
もちろん、恋愛はいつも片思い
引っ込み思案の内気な性格で、男子と話をするのも苦手だった
高校まで彼氏も1人も出来ず、『このままではダメだ!』と思い
大学に入学して、すぐに合コンに参加したのだが…
その合コンの最中に、急性アルコール中毒になり短い19年の人生を終えたのだった
わたしくしは『5歳の公女』でありながら、『日本人の19歳の女子大生』の記憶を持つ異国の、美少女として生まれ変わったのでした
「アイラ?大丈夫ですか?」
心配そうにお母様がわたくしの顔を覗き込みました
「お母…様…」
わたしくしを、心配そうに見つめるお母様の手をぎゅっと握り返しました
すると部屋のドアが、壊れんばかりの勢いで開かれました
「アイラが目を覚ましたって!」
お父様とお兄様お二人が慌てて飛び込んできました
「ア、アイラ~!」
三人は泣きながら、わたくしを抱きしめました
本当に、わたくしはヨーク家の家族に大切に、そして愛情深く育てられていたのでした
最初のコメントを投稿しよう!