チョコレート王子

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チョコレート王子

元気になった次の朝 「お父様!わたくし、チョコレート王子と結婚します!」 「ちょ、チョコレート王子??」 お父様が驚いて目を丸くして、わたくしを見つめておりました 「アイラ、まだ熱があるのかい?」 心配顔でルーカスお兄様がわたくしのオデコに手を当てました 「大丈夫ですわ!もう熱は下がっております!」 わたくしはお兄様の手を払いのけると、憤慨して腰に手を当てました 「チョコレート王子って誰の事?」 ローレンスお兄様が眉をひそめて聞きました 「決まっているじゃありませんか!この間お会いした…えっと…名前…何でしたかしら…」 「フェリックス殿下の事か?」   「そうですわ!お父様!フェリックス殿下ですわ!」 「フェリックス殿下?何でチョコレート王子?」 ルーカスお兄様がキョトンとした顔で訪ねました 「泣いていたアイラにチョコレートを下さったんだ」 お父様が呆れた顔で言いました 「それでチョコレート王子ね」 ルーカスお兄様がからかう様にクスリと笑いました 「な、何が可笑しいのですか?ルーカスお兄様!」 わたしくしは真っ赤になって反論しようとした時 突然、ローレンスお兄様に抱きしめられました 「フェリックス殿下なんて止めなよ、アイラ」 「ローレンスお兄様…」 「第3王子なんてアイラにはふさわしくないよ」 「おいおい、ローレンス、いつも剣術でフェリックス殿下に負けているからって、それは逆恨みだろ」 ルーカスお兄様は、冷ややかな目でローレンスお兄様を見るとクスリと笑いました 「ち、違うよ、兄様!僕は本当にアイラにふさわしい、もっと強くて格好いい人が…」 「ごめんなさいローレンスお兄様、わたくし決めましたの」 「え?」 「わたくしはチョコレート王子のお嫁さんになりますわ!」 「アイラ~」 泣き崩れるローレンスお兄様を振り切り、わたくしは颯爽と部屋を出て行きました
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