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コンビニまで走ると、俺は紗倉の腕を引っ張った。紗倉の顔は涙で濡れていて、俺は思わず紗倉を抱きしめた。
「引っ越そう! 他の街は安全だ!」
ぱんなは言っていた。
“魔法少女は恋することが出来ない”と。天涯孤独の紗倉には家族が居ない。恋人も作れないならそんな街で一体何を守るというのだろうか。
「俺はいつも君が戦っているのを知ってる。痛みに耐えながら、恐怖と向かい合いながら。いつも皆を守るために戦っていた。でも、もう良いじゃないか。俺と一緒にこの街から引っ越そう。新しい街では俺が君を守ってみせる。二度と......傷つけたりしない」
俺は紗倉の右脚を見た。
魔法少女からの変身を解くと傷は元通りになる。でも、受けた痛みの記憶はなくならないとぱんなが言っていた。
空ではスタパイヤと共に新しい色の魔法少女が戦いに加わっていた。紫色の魔法少女だ。きっと紗倉が居なくても2人が頑張ってくれるはずだ。
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