10人が本棚に入れています
本棚に追加
「痛ったたた......やるわね......」
桜色の衣装を着た少女が尻餅をついた体勢で動けなくなっていた。俺の部屋になるはずの101号室が丸見えだ。
応援に駆けつけた引っ越し業者の皆様も大慌てでザワザワしている。何人かのパンダの帽子のおじさんが空を指差した。
(な、何だあれ!)
少女の対角線上には高層ビルを突き抜ける程の大きさの椎茸の化け物が赤い長靴を履いている。耳を劈く咆哮。空は暗雲に包まれている。
再び少女へと視線を戻すと少女の周りを桜と熊が合体したようなマスコットが浮遊しながら近づいて来ていた。
『スタサクラ! 技名を唱えるクマ!』
「えぇっと、スタシャインソード!」
少女が叫ぶと、少女の持っていたロッドが剣に変わる。地面を蹴ると、まるで羽根が付いているかのように高く高く少女は空へと舞い上がった。
「いくよ!」
少女は魔法の剣で椎茸を刻む。椎茸はハートのエフェクトに包まれて消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!