⭐︎⭐︎第一話⭐︎エスタータウンへの引っ越し⭐︎⭐︎

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ーーパァァァァア⭐︎  白い光に包まれて、破壊された街が元に戻っていく。 (なんだ。なんなんだ!?)  余りの眩しさに目を閉じた。再び目を開けると引っ越し業者さんは何もなかったような顔をして俺の段ボールを運んでいる。  俺のアパートも元通り。101号室の中身は見えない。俺は思わず引っ越し会社のスタッフさんの肩を掴んだ。 「あの。今、この家壊れましたよね!?」 「え? なんですか?」  パンダの制服のおじさんは怪訝そうな顔で立ち止まった。 (何、俺しか覚えてないの?) 「い、いえ、なんでもないです」  だから、幻覚だと思ったんだ。 *  だけど、同じような現象が一週間に一度位あって、俺は悟った。  えのき茸、ぶなしめじ、平茸。  どれも長靴を履いて巨大化する運命にあった。  この街は巨大菌類怪獣に襲われている。そしてそれに対処する魔法少女がいるのだ。愛用の一眼レフで撮影をするとその瞬間はデータになるが、白い光と共にデータは消えてしまう。 (引っ越そ)  俺は早々にこの街を去る決意をした。
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