⭐︎⭐︎予告編⭐︎⭐︎

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⭐︎⭐︎予告編⭐︎⭐︎

 初めは俺にしか見えていない強めの幻覚だと思っていた。 「私が......私がッ、やらないと!」  ピンクの衣装に身を包んだ魔法少女は巨大怪物と対峙する。さくらんぼをイメージした衣装はシースルーのヒラヒラとホイップクリームみたいなフリルで出来ていた。慣れない手つきで魔法のステッキを剣に変化させ、敵が放った胞子を薙ぎ倒していく。  巻き毛のツインテールをしているが、小学生や中学生ではなく、高校生ぐらいの少女だ。  仲間は、居ない。  巨大なキノコから生えた足が彼女を蹴り飛ばす。ビルは陥没し、窓が割れる。押し付けられた彼女は勢いよく血を吐いた。 (ヤバいっ、ここまでか!?)  絶体絶命に見えたその時、剣を一際高く掲げて少女は叫んだ。 「実れ! 恋のさくらんぼ!」  剣は少女の背丈の2倍程に伸びる。少女が大きく踏み込んでエリンギの胴体を薙ぎ払うと、ハートの形のエフェクトがぽわんと浮かび、キノコは霧散していった。  忽ちに街は元通り。  巻き込まれた人々も何一つ戦いのことは覚えていない。 (今日も見えてしまった)  俺はアパートの窓縁に双眼鏡を置いた。  ここはエスタータウン。魔法少女の居る街で、俺だけが彼女の活躍を忘れず、知っている。
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