歌って、泣いて、キスして、

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だから、 私に対してもハッキリ言えちゃうんだよね。 (苦労知らずは羨ましいっ、) なんて心の中で思っているこ......... 「歌って、泣いて、ほんと、忙しーやつ」 そう言って、鼻で笑うような顔をしてる颯太。 「むぅ、もう!わるーございました!」 素直に、〝ありがとう〟って言えばいいのに。 ちゃんと言えないのは、 何度も颯太に同じことを言われてるから。 「ふっ。変わんねーな凛花」 「〜〜っ、ばか、」 私の頭を触りながら、颯太の笑顔はいつもズルい。 そんな颯太の顔に見惚れていると............ 「なぁ、いっこ、追加していー?」 その問いかけに返事をする前に。 「............んっ、」 ほんの一瞬、くちびるに触れた柔らかい感触。 「これぞ、歌って、泣いて、キスして、ってやつ」 「〜〜っ、ばかっ!急はだめ!」 「急じゃなかったらいーの?」 「〜〜っ!」 幼なじみのきみに、キスされちゃったら、 ──────次の恋はきみがいいなんて、秘密。 fin.
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