予感

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予感

―AM2:25― 『メールが一件届いてます』 ブラックアウトしたはずのパソコンの画面に‥黄緑色の文字が浮かび上がった。音もなく画面が切り替わり‥メール受信画面が開かれる。 青白く光る画面にまるで誰かが打ち込んでいるかのように、文字が走る。 『闇は満ちた‥我等の繁栄を祝う宴を始めよう。さぁ‥現の永久へ誘う時は刻み‥そして目覚めん』 画面から文字が消えると、カーソルの点滅とともに画面は自動的に電源が落ちる。 ほんの一分足らずの出来事だ。 この部屋の主は‥部屋に入るとルームライトを付けて濡らした髪をタオルで拭きながら、カーテンを開けて窓の外の満月を眺めた。
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